一網ひとあみ)” の例文
「ははは、そいつアよかった。さんざん、金時計をに呑ませておいて、一網ひとあみに、吐き出させるなんて、警察も抜け目がない」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津や浦のはてから果を一網ひとあみにもせい、人間夥間なかまが、大海原おおうなばらから取入れますものというは、貝にたまったしずくほどにいささかなものでござっての、お腰元衆など思うてもみられまい
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ここらで、一網ひとあみ入れてみよう。……控え廻してくれ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「この辺でよかろ。……勝則、一網ひとあみ、入れてみんか」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)