一火ひとひ)” の例文
首尾が好いと女世帯せたい、お嬢さん、というのは留守なり、かみさんもひまそうだ。最中もなか一火ひとひで、醤油おしたじをつけて、とやっこ十七日だけれども、小遣こづかいがないのである。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれど、見ている静のほうが、その一火ひとひ一火ひとひに、骨のしんまでかれるようなこらえに締めつけられていた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)