一塊ひとくれ)” の例文
当麻たぎまむらは、此頃、一本の草、一塊ひとくれの石すら、光りを持つほど、にぎわちて居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
鍬を手にした佐吉らのかける土はなだれ落ちるように棺のふたを打った。おまんから孫の正己までが投げ入れる一塊ひとくれずつの土と共に、親しいものは寄り集まって深く深く吉左衛門を埋めた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたしのうちにやってきて、牛肉一塊ひとくれぬゥすんだ。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
当麻の邑は此頃、一本の草、一塊ひとくれの石にも光りがあるほど、賑ひ充ちて居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)