“むしろぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
筵帆66.7%
蓆帆33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素戔嗚は弓杖ゆんづゑをついたなり、ぢつとこの舟へ眼を注いだ。舟は彼をあざけるやうに、小さい筵帆むしろぼを光らせながら、軽々と浪を乗り越えて行つた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その帆は木綿帆でも筵帆むしろぼでも皆丈が非常に低い。海の舟の帆にくらべると丈が三分の一ばかりしかない。
車上の春光 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
万畳ばんじょうの雲なす遠山は、対岸の空にあいか紫かのひだを曳き、四川しせんくだりの蓆帆むしろぼや近くの白帆は、悠々、世外の物のようである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かなりおおきな船だ。蓆帆むしろぼに風が鳴り、揚子江の黄いろい水が、瑶々ようようとそのふなべりを洗い、見るまに、手をうち振る江岸の人々も街も小さくうすれ去った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)