“むぎゆ”の漢字の書き方と例文
語句割合
麦湯100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お絹は列び茶屋の不二屋ふじやを目指しているらしく、軒提灯の涼しい灯のあいだを横切って通った。まだ宵ながらそこらには男や女の笑い声がきこえて、麦湯むぎゆの匂いが香ばしかった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お婆様はようやくのことでその人のすまっている所だけを聞き出すことが出来ました。若者は麦湯むぎゆを飲みながら、妹の方を心配そうに見てお辞儀を二、三度して帰って行ってしまいました。
溺れかけた兄妹 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
昨日のあがだかでは千五百円の大損、それに引きかえて、同所の、火除ひよけ地へ、毎夜出る麦湯むぎゆの店は百五十軒に過ぎ、氷水売は七十軒、その他の水菓子、甘酒、諸商人の出ること、晴夜せいやには
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)