“へうばう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
標榜66.7%
縹茫33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると戦争のまだ落着しないうちから、年来独逸ドイツによつて標榜へうばうされた軍国的精神なるものは既に敵国を動かし始めたのである。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
デカダンの生粹きつすゐを以つて標榜へうばうしてゐた自分だが、今では、その元氣ある道程を終つて、ただその最後の遺物をばかり握つてゐるらしくも自分自身で見える。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
自分は軍国主義を標榜へうばうする独逸が、の位の程度において聯合国を打ち破り得るか、又ほど根強くそれらに抵抗し得るかを興味にちた眼で見詰めるよりは、はるかにより鋭い神経を働かせつつ
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
縹茫へうばうといはうか、少年はそんな形容詞は知らなかつたけれども、何か正体の知れぬものを目前に見たのであつた。
最上川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)