“ひらにわ”の漢字の書き方と例文
語句割合
平庭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小次郎へ向って、すべてが、どっと駈け雪崩なだれた。小次郎は、が飛ぶように、身の位置をかえていた。おおきななつめの樹が平庭ひらにわの一方にあった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛び石が二つ、松一本のほかには何もない、平庭ひらにわの向うは、すぐ懸崖けんがいと見えて、眼の下に朧夜おぼろよの海がたちまちに開ける。急に気が大きくなったような心持である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
裏山をいだいている約四百坪ほどの山芝の平庭ひらにわを見ると、師の小野治郎右衛門忠明は、日頃、持ち馴れている行平ゆきひらの刀を抜いて、青眼せいがん——というよりはやや高目にひたと構え
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)