“ひょうじん”の漢字の書き方と例文
語句割合
氷刃100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
路傍の一草のごとく、それを見て去らんとすると、その刹那だ! 七本松の黒々とわだかまった闇の蔭にシーッと息をこらしているかのような氷刃ひょうじんの鋭気。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(まだ何もしらぬ青春の芽ばえのむかし。白河と璋子とが、われに与えたあの氷刃ひょうじんの思い、もあらぬ、ねた劫火ごうかの苦しみにくらべれば。……これほどなむくいは、なんでもない)
冷侮れいぶ氷刃ひょうじんのごときものだ。宋江はかっと蒲団ふとんのうちで熱くなった。女は、もひとつ体をかためて、じゃけんに宋江の足さきを、うるさそうに肩で払った。「……ちッ」と舌打ちしたのも聞えた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)