“ひや/″\”の漢字の書き方と例文
語句割合
冷々100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の女が冠つた手拭は夕闇に仄白ほのじろく、槌の音は冷々ひや/″\とした空気に響いて、『藁を集めろ』などゝいふ声もかすかに聞える。立つて是方こちらを向いたのは省吾か。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
冷々ひや/″\とした空気は窓から入つて来て、斯の古い僧坊の内にも何となく涼爽さはやかな思を送るのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
とある町へ差掛かつた頃、急に車夫は車を停めて、冷々ひや/″\とした空気を呼吸しながら、額に流れる汗を押拭つた。見れば町の空は灰色の水蒸気に包まれてしまつて、僅に西の一方に黄な光が深く輝いて居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)