“ひはく”のいろいろな漢字の書き方と例文

(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

アルイハ主ノ蔵スル所、アルイハ客ノ携ル所、心ヲ潜メテ以テ品賞ス。相菲薄（ひはく）セズ。相阿諛（あゆ）セズ。惟公論ヲ然リトナス。

下谷叢話 (新字新仮名) ／永井荷風(著)

父が北千住に居った時、家に一婢（ひ）があった。肥白（ひはく）にして愛想好く、挙止もまた都雅であった。然るにこの婢の言う所は、一々わたくし共兄弟姉妹の耳を驚かした。

細木香以 (新字新仮名) ／森鴎外(著)

天苟（いやしく）も吾が区々の悃誠（こんせい）を諒し給わば、幕吏必ず吾が説を是（ぜ）とせんと志を立てたれども、蚊虻（ぶんぼう）山を負うの喩（たとえ）、終（つい）に事をなすこと能（あた）わず今日に至る。また吾が徳の非薄（ひはく）なるによればなり。

吉田松陰 (新字新仮名) ／徳富蘇峰(著)