“ひとよじゅう”の漢字の書き方と例文
語句割合
一夜中100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は相不変あいかわらず人を避けて、山間の自然に親しみ勝ちであった。どうかすると一夜中ひとよじゅう、森林の奥を歩き廻って、冒険を探す事もないではなかった。その間に彼は大きな熊やししなどを仕止めたことがあった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は酒にひたりながら、洞穴の奥にうずくまって、一夜中ひとよじゅうよい泣きの涙を落していた。彼の心は犬に対する、燃えるような嫉妬しっとで一ぱいであった。が、その嫉妬の浅間あさましさなどは、寸毫すんごうも念頭にはのぼらなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)