“ひとけはい”の漢字の書き方と例文
語句割合
人気勢100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
およそ十四五人の同勢で、女交りに騒いだのが、今しがた按摩が影を見せた時分から、大河おおかわしおに引かれたらしく、ひとしきり人気勢ひとけはいが、遠くへ裾拡がりにぼう退いて、しんとした。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今境内は人気勢ひとけはいもせぬ時、その井戸の片隅、分けても暗い中に、あたかも水から引上げられたていに、しょんぼり立った影法師が、本堂の正面に二三本燃え残った蝋燭ろうそくの、横曇りした
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その人たちを、ここにあるもののように、あらぬ跫音を考えて、しわぶきを聞く耳には、人気勢ひとけはいのない二階から、手燭して、するすると壇を下りた二人の姿を、さまで可恐おそろしいとは思わなかった。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)