“はれもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
腫物98.1%
脬腫1.0%
瘇腫1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、そこは確か先日から小さな腫物はれものができて、赤くはれ上っていたのだが、今そこが噴火山となって赤々と煙を噴き上げている。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
死を観念させられてゐる弟の前で、一寸した脬腫はれもののことなぞ持出したことはと、そんな気持もするのであつた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
医者が来ると、母を出して、私は弟の部屋から引込むのであつたが、或る日私は、自分の耳の下の二分ばかり小高くなつた脬腫はれものを診察して貰はうと思つたので、弟の寝てゐる部屋に出て行つた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
訓言おしえは薬のようなもので、痎瘧おこりを病む者の前に瘇腫はれものの薬をすすめられてもしかたがない、と、そのようなことも思うた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)