脬腫はれもの)” の例文
死を観念させられてゐる弟の前で、一寸した脬腫はれもののことなぞ持出したことはと、そんな気持もするのであつた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
医者が来ると、母を出して、私は弟の部屋から引込むのであつたが、或る日私は、自分の耳の下の二分ばかり小高くなつた脬腫はれものを診察して貰はうと思つたので、弟の寝てゐる部屋に出て行つた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)