“はつなつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
初夏100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夥しい煤煙の爲めに、年中どんよりした感じのする大阪の空も、初夏はつなつの頃は藍の色を濃くして、浮雲も白く光り始めた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
明るくしろ初夏はつなつの日ざしが、茂り合ったみどり草の網をすかして、淡く美しく、庭のもに照り渡り、やわらかな光線は浅いひさしから部屋の中へも送って来ます。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
お吉を帰すと、彼はやがて、りすぐった小鳩を一羽ふところに入れ、初夏はつなつの陽がかがやかしい青田や梨の木畑の道を急いで、異人墓いじんばかの丘へ登って行った。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)