“なまつば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生唾95.2%
生唾液4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手をたたくことさえ忘れていた。生唾なまつばみ込み呑み込み、眼をみはって、口をあけて、名女優の命がけの演技に見とれていた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし、五、六度生唾なまつばみ下しているうちに、サッと智的なものがひらめいたかと思うと、伸子は高いふるえを帯びた声で云った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と青年はやっと頭を下げて返事をしかけたが、そのまま生唾液なまつばみ込むと、まだ口を利くのが怖いという風に舌なめずりをしいしいそこいらを見まわした。
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
見ていると隣にいる中年の男が、康子の耳に顔を寄せて何か私言ささやいている、康子は何か答えたらしく、男はちょっと歯を見せて顔を離した。清三は生唾液なまつばを呑みこみながら舞台を見た。
須磨寺附近 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)