“とまえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
戸前83.3%
扉前16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は冷たい風の吹き通す土蔵の戸前とまえ湿しめっぽい石の上に腰を掛けて、古くから家にあった江戸名所図会えどめいしょずえと、江戸砂子えどすなごという本を物珍しそうに眺めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
半七は確かにそれと見きわめながらも、まさかにつかつか踏み込んで出しぬけに土蔵の戸前とまえをあけるわけには行かないので、もう少し確かな証拠を握りたいと思った。
半七捕物帳:20 向島の寮 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
七ツ半近くお前さんが土蔵の扉前とまえでウロウロしているのを雪隠せっちんの窓から見かけたものがあるというんだが、それはどうしたわけなんだ
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
刈上祝かりあげいはひの餠搗の相どりをしたあとで、大きな福手餠ふくてもちを子供に貰つてやつたら、彼等は目を丸くして喜び勇んだこともあつた。小作米がくらに運ばれて、扉前とまえで桝を入れる。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)