“ちついり”の漢字の書き方と例文
語句割合
帙入100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
省線しょうせん電車の往復するのがく見える硝子窓ガラスまどの上には「天佑平八郎書てんゆうへいはちろうしょ」とした額を掲げ、壁には日本と世界の地図とを貼り、机の傍の本箱には棚をことにして洋書と帙入ちついりの和本とが並べてある。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
本棚の片隅には、帙入ちついりの唐本の『山谷さんこく詩集』などもありました。真中は洋書で、医学の本が重らしく、一方には馬琴ばきん読本よみほんの『八犬伝』『巡島記』『弓張月ゆみはりづき』『美少年録』など、予約出版のものです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
この列仙伝は帙入ちついり唐本とうほんで、少し手荒に取扱うと紙がぴりぴり破れそうに見えるほどの古い——古いと云うよりもむしろ汚ない——本であった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)