“たてこも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タテコモ
語句割合
立籠86.0%
楯籠14.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その水の手の切れた、敵から案内を知り抜かれている、狭い、窮屈な牙城に一人か二人しか居ない探偵小説家は立籠たてこもろうとしているのだ。
探偵小説の真使命 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
江戸ッ子風の洒脱しゃだつらしく見えて実は根ッから洒脱でなかった。硯友社という小さな王国に立籠たてこもって容易に人を寄せ付けなかった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
自分の一門はすべて第二の「千本桜」の方に楯籠たてこもってしまったのであるという噂が専ら伝えられた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜に入ってからお計らいなさりませ、さらずば一度北国へお下りなされ、城に楯籠たてこもって国々の味方をお集めなさりませと、そう云われて常陸介もんどころなく、東寺を西へ、向うの明神へかゝり
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)