“そじょ”の漢字の書き方と例文
語句割合
沮洳100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然るに今日に至っては隅田川の沿岸には上流綾瀬あやせの河口から千住せんじゅに至るあたりの沮洳そじょの地にさえ既に蒹葭蘆荻ろてきを見ることが少くなった。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
九州の牟田の沮洳そじょを意味することは引証にも及ぶまいが、『成形図説』には淖田と書いてむだとませ、近くは『佐賀県方言辞典』にも「ムダ、泥濘でいねいふかき所」とある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上流二所の阿久戸は海面よりはるかに高くかつ砂地であるらしいから、アクツは必ずしも卑湿沮洳そじょの地を意味すると断定することはできない。羽前うぜん最上もがみ川の支渓にも安久戸または悪戸は多い。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現に常陸でも沮洳そじょの地をヤチ・ヤチッボ、あるいはヤチッベなどと呼び(茨城県方言集覧)、会津でも下湿の地をヤチと言い(新編風土記)、江戸附近では草茂り水ある所をヤといい(俚言集覧)
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)