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せんばやすぐえもん
馬関より乗船
夫れから
船場屋寿久右衛門の処から
乗た船には、三月の事で皆
上方見物、夫れは/\
種々様々な奴が乗て居る。
下ノ関
船場屋寿久右衛門へ宛て鉄屋惣兵衛の名前を書いてちゃんと封をして、
明日下ノ関に渡てこの手紙を用に立てんと思い、
小倉までたどり付て
泊った時はおかしかった。
私の懇意な内で
船場屋寿久右衛門と云う船宿があります、
其処へお
入来なされば宜しいと云う。
抑もこの事を
態々鉄屋に聞かねばならぬと云うのは、実はその時私の
懐中に金がない。