“せいよく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
性慾66.7%
性欲33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
打ったりなぐったりしたという春琴のごときは他に類が少いこれをもって思うに幾分嗜虐性しぎゃくせいの傾向があったのではないか稽古に事寄せて一種変態な性慾せいよく的快味を享楽きょうらくしていたのではないかと。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
岩が落ちて来るような勢いでそのひとの顔が近づき、遮二無二しゃにむに私はキスされた。性慾せいよくのにおいのするキスだった。私はそれを受けながら、涙を流した。屈辱の、くやし涙に似ているにがい涙であった。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もし愛という不可思議なものに両端りょうはじがあって、その高いはじには神聖な感じが働いて、低い端には性欲せいよくが動いているとすれば、私の愛はたしかにその高い極点をつらまえたものです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さもあれや、わが「性欲せいよく」の里正むらをさうかがひ寄りて
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)