“すずりばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
硯箱84.3%
硯筥15.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして子供はもうお祖父さんの側から駆け出して、部屋の中にはいって、大きな硯箱すずりばこを持ち出して、またもとの塀の外に駆けてきました。
影法師 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
しかし別段庭も空地あきちもないので机場おざにおさまって遊んでいるのだが——まず硯箱すずりばこからしておもちゃ箱に転化させて、水入器みずいれにお花をさす。
そして隅の方に眠たげにひかえている小姓へ向い、硯筥すずりばこを求めて、その扇子へ何やらしたため終ると
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もうちっとしたら貰えましょうと慰めるのも油になって、やゝ久しく無言で居たが、筆をと云うに女が硯筥すずりばこを持来り、りましょうという下からもはや筆を溜り水に染めて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)