“こなぐすり”の漢字の書き方と例文
語句割合
粉薬100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『ええ、そうですわ』とついに君江は答えた。そこで私は云った。『煙草にあの白い粉薬こなぐすりを載せて火をける。それでいいのだろう』君江は黙ってうなずいた
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
T君は雑嚢から解熱剤の白い粉薬こなぐすりを出して、その用法を説明してあたえると、老人は地にひざまずいて押し戴いた。それをみていて、僕はひどく気の毒になった。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
K——博士はかせのくれる粉薬こなぐすりは、ぴったり彼女の性に合っていると見えて、いつも手提てさげのなかに用意していたくらいだったので、少し暖かいところへ出てみたいと思っていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
麻袋の中には赭土あかつち色をした粉薬こなぐすりのようなものが貯えてあって、まず蛇の来る前路にその粉薬を一文字にふりまく。それから四、五間ほど引下がったところにまた振りまく。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)