“こうぼん”の漢字の書き方と例文
語句割合
香盆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
掛け軸の前の香盆こうぼんに染め付けの火入れが置いてあるので、始めてそれと気がついたのだが、さっきからかすかに香っているのは大方あれに「梅が香」がくんじてあるのであろう。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
聞くまいとして先刻さっきから書をひもといたり、香盆こうぼんを拭いて香炉に火を点じてみたりしていたが、十兵衛の声が耳に聞えている時よりも、聞えていない間の方が、たまらない不安と焦躁しょうそうに駆られてしまう。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
登子は棚の香盆こうぼんを下ろして、香炉こうろ伽羅きゃらをたいていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)