“こうほん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
稿本66.7%
藁本33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出して見ようと思いまして——稿本こうほんを幸い持って参りましたから御批評を願いましょう
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
北向きの小窓のしたに机をすえて「松の花」という稿本こうほんに朱を入れていた佐野藤右衛門とうえもんは、つかれをおぼえたとみえてふと朱筆をおき、めがねをはずして、両方の指でしずかに眼をさすりながら
日本婦道記:松の花 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
例えば岩崎文庫所蔵の未刊藁本こうほん『禽鏡』の(本文は失明以前の筆写であっても)失明の翌年の天保五年秋と明記した自筆の識語を見ても解る。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
就中なかんずく読書五十年の如きは、ただに計画として存在するのみではない、その藁本こうほんが既にたいを成している。これは一種のビブリオグラフィイで、保さんの博渉の一面をうかがうに足るものである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)