“げきぜん”の漢字の書き方と例文
語句割合
闃然100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さ、さ、とお絹の褄捌つまさばきが床を抜ける冷たい夜風に聞えるまで、闃然げきぜんとして、袖に褄に散る人膚ひとはだの花の香に、穴のような真暗闇まっくらやみから、いかめの鬼が出はしまいか——私は胸をめたのです。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
闃然げきぜんたる午時ひるどきの街を行く人は、すぢの如き陰影を求めて夏日の烈しきをかこつといへども、これをこの火の海にたゞよひ、硫黄氣ある毒燄を呼吸し、幾萬とも知られぬ惡蟲に膚を噛まるゝものに比ぶれば
四辺あたりは益〻静かである。森閑闃然げきぜんとして音もない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)