“かずさや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上総屋63.6%
上總屋36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
草履をそろえたのは、迎えに来た上総屋かずさやの七造であった。街はもう黄昏たそがれが濃く、眼の前にある料理茶屋の門口にも「かね本」という掛け行燈に火がいれてあった。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
……まずもって船を向こう岸へ着けてよ、上総屋かずさやあたりへ引っ張り込んでよ、介抱申し上げて一汗かけば、女ってやつ他愛はねえ、九十郎さんへと云ってたやつが団八さんへと変わってしまう
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次は、上總屋かずさやの嫁お信の里、元町の大里金右衞門の浪宅を訪ねました。
「成程ね、そいつが一番大事だつたんだ。親分も御存じでせう、湯島の生藥屋きぐすりや上總屋かずさや宗左衞門の孫、お千代といふ八つの娘と、新吉といふ六つの男の子が二人。母屋おもやから藏へ通ふ廊下で、煙のやうに消えてなくなつたんだが」