上總屋かずさや)” の例文
新字:上総屋
細面で上品で、年の割に何處かにしたゝるやうな可愛らしさの殘る女と——これが上總屋かずさやの家族の全部で、平次と八五郎を取卷いて、心配さうな顏を寄せた四人でした。
「鍛冶町の上總屋かずさやへでも行つて見ようか。飛んだ結構な智慧が浮ぶかも知れねえ」
平次は、上總屋かずさやの嫁お信の里、元町の大里金右衞門の浪宅を訪ねました。
「成程ね、そいつが一番大事だつたんだ。親分も御存じでせう、湯島の生藥屋きぐすりや上總屋かずさや宗左衞門の孫、お千代といふ八つの娘と、新吉といふ六つの男の子が二人。母屋おもやから藏へ通ふ廊下で、煙のやうに消えてなくなつたんだが」
飛んでもねえ、へつゝひ横町の上總屋かずさやですよ。
上總屋かずさやでございます」