“いぶきおろし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
伊吹颪50.0%
胆吹颪50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうど大きな夏の月が、関ヶ原の彼方かなたからさし昇って、道は昼より明るく、伊吹颪いぶきおろしは、秋のように爽やかだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぞろぞろ、いて歩いていた子供たちも、一人り、二人減り、彼のまわりは、もう寒い伊吹颪いぶきおろしと夕闇だけだった。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白と赤との旗幟を、胆吹颪いぶきおろしの朝風になびかせて、のんのんずいずいと繰出した同勢——その中に馬に乗って、きまり悪げに手綱たづなを曳かせた大御所がすなわち道庵先生であります。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なるほど、音に聞く胆吹颪いぶきおろしは怖ろしい、全く、弁信さんという人は進んでいるのだか、退いているのだかわからない、ああ、危ない、あの崖、あそこへ顛落てんらくした以上はもう助からない!
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)