伊吹颪いぶきおろし)” の例文
ちょうど大きな夏の月が、関ヶ原の彼方かなたからさし昇って、道は昼より明るく、伊吹颪いぶきおろしは、秋のように爽やかだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぞろぞろ、いて歩いていた子供たちも、一人り、二人減り、彼のまわりは、もう寒い伊吹颪いぶきおろしと夕闇だけだった。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)