ピアノ
顫へては何処へか咽び入り 跡かたもないメロデイよ、 淡蒼い影を揺かす おまへの指は絶間なく咽び入り、 しなやかな幻にとり縋る。 真白い指の王国は 恣まな圧制を 虐げの歌を掻き鳴らす、 薄明りの上に輝いて 裂けて死ぬ光りのなげき。 けぶりのや …
題名が同じ作品
ピアノ (新字旧仮名)芥川竜之介 (著)