ソネット
絹には「時」の薫ずれど 「妄執」の色褪せにたり、 鏡のそとに溢れたる 雲の御髮に如めやも。 心急れの旗じるし 道の衢にいきほへど、 われはた君がねくたれを 枕きてあらむ、眼もきりて。 げに唇のいとせちに 憧るとてもあやなしや、 君戀ひわたる …