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飛衞
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ひゑい
飛衞は
昔の
善く
射るものなり。
同じ
時紀昌といふもの、
飛衞に
請うて
射を
學ばんとす。
教て
曰く、
爾先瞬きせざることを
學んで
然る
後に
可言射。
かくて
餘物を
覩るや。
皆丘山もたゞならず、
乃ち
自ら
射る。
射るに
從うて、
𥶡盡く
蟲の
心を
貫く。
以て
飛衞に
告ぐ。
先生、
高踏して
手を
取つて
曰く、
汝得之矣。
飛衞肯ずして
曰く、
未也。
亞で
視ることを
學ぶべし。
小を
視て
大に、
微を
視て
著しくんば
更に
來れと。
昌、
絲を
以て
虱を
牖に
懸け、
南面して
之を
臨む。
旬日にして
漸く
大也。
三年の
後は
大さ
如車輪焉。