農業のうげふ)” の例文
友人いうじんいはく、我がしたしき者となり村へ夜話よばなしゆきたるかへるさ、みちかたはら茶鐺ちやがまありしが、頃しも夏の事也しゆゑ、農業のうげふの人の置忘おきわすれたるならん、さるにてもはらあしきものはひろかくさん
盡し兄弟はらからなかむつましく兄は弟を思ひ弟は兄を尊敬うやまひ日々にち/\農業のうげふ耕作かうさく油斷ゆだんなくせいを出しひまある時は山に入てたきゞこり或ひは日雇ひよう走り使ひ等に雇はれ兩人とも晝夜を分たずかせぎて親半左衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あに一人ひとりあつたが戦地せんちおくられるともなく病気びやうきたふれ、ちゝ空襲くうしふとき焼死せうしして一全滅ぜんめつした始末しまつに、道子みちこ松戸まつど田舎ゐなか農業のうげふをしてゐる母親はゝおや実家じつかはゝともにつれられてつたが
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
あに元太郎もとたらう至極しごく實體じつていで、農業のうげふ出精しゆつせいし、兩親りやうしん孝行かうかうつくし、まづしいなかにもよく齊眉かしづき、ひとづきあひは義理堅ぎりがたくて、むらほめものなのであるが、次男じなん小助こすけうまれついたのらくらもの。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
古縄ふるなはへびとしおどせば、おどされたるびつくりして片足かたあし泥田どろたへふみいれしを衆人みな/\辴然おほわらひす。此みちすべ農業のうげふ通路つうろなればいこふべき茶店ちやみせもなく、半途はんといたりて古きやしろに入りてやすらふ。
古縄ふるなはへびとしおどせば、おどされたるびつくりして片足かたあし泥田どろたへふみいれしを衆人みな/\辴然おほわらひす。此みちすべ農業のうげふ通路つうろなればいこふべき茶店ちやみせもなく、半途はんといたりて古きやしろに入りてやすらふ。
そのせはしき事の千しん、暖国の農業のうげふすれば百ばい也。さればとて雪国にうまるもの幼稚をさなきより雪中に成長するゆゑ、蓼中たでのなかむしからきをしらざるがごとく雪を雪ともおもはざるは、暖地だんち安居あんきよあぢはへざるゆゑ也。
これは農業のうげふのかたはられふをもなすゆゑに国許こくきよつゝなり。