“茶店”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゃみせ37.9%
ちやみせ31.8%
さてん12.1%
ちゃや6.1%
ちやてん4.5%
ちやや3.0%
ちゃてん1.5%
ちやゝ1.5%
カフエエ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
永年ながねんの繁盛ゆえ、かいなき茶店ちゃみせながらも利得は積んで山林田畑でんぱたの幾町歩は内々できていそうに思わるれど、ここの主人あるじに一つの癖あり
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
三十七ねんぐわつ十四幻翁げんおう望生ぼうせい二人ふたりとも馬籠まごめき、茶店ちやみせ荷物にもつ着物きものあづけてき、息子むすこ人夫にんぷたのんで、遺跡ゐせきむかつた。
○さてかの茶店さてんにて雪の氷をめづらしとおもひしに、その次日より塩沢しほざは牧之ぼくし老人が家にありしに、日毎に氷々こほり/\とよびて売来る、山家やまが老婆らうばなどなり。
やっ茶店ちゃや辿着たどりつくと、其の駕籠は軒下のきしたに建つて居たが、沢の腰を掛けた時、白い毛布けっとに包まつた病人らしいおとこを乗せたが、ゆらりとあがつて、すた/\行く……
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これは凹巷の七律の七八である。凹巷と田孫二人とが辞し去る時、霞亭はこれを勢田の橋に近い茶店ちやてんまで送つた。「長橋短橋多少恨。満湖風雨送君帰。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もとよりをやつす色氣いろけ十分じふぶんをとこであるから、道中笠だうちうがさなかながらやにのついたかほは、茶店ちややばゞあにものぞかせたくない。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こうなると一度まとめた道具のうちを復たほどく必要がある位で、ある荷物は会社に依頼して先へ送り出した。私は本町の角にある茶店ちゃてんから、大きな茶箱を二つ求めて来て、書籍のたぐいはそれに詰めた。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
鹽尻の茶店ちやゝの爐に暖まり温飩うどん掻込かつこみながら是よりなら井まで馬車一輛雇ふ掛合を始む直段ねだん忽ち出來たれど馬車を引來らず遲し/\と度々たび/\の催促に馬車屋にてはやがてコチ/\とこはれ馬車を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
蘇西スエズ河口かこうの上に建てられたこの市街は狭いながらも欧洲の入口だけ余程よほど東洋の諸港とちがつた感がした。どの酒舗バアにも茶店カフエエにも早天から客が詰め掛けて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)