“漢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとこ31.9%
かん26.6%
おのこ14.9%
をとこ6.4%
もの6.4%
あや4.3%
から2.1%
カン2.1%
おこと1.1%
1.1%
もろこし1.1%
やつ1.1%
ソラニ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いよいよゆかしいおとこだ」と、かえって尊敬をいだいた。同時に、彼が関羽に対する士愛と敬愛は、異常なほど高まるばかりだった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしはあのかんが好きでなア、斯漢愚漢このかんぐかんと書いてありさうなひろい額を見ながら、默つて煙草を吸うてゐるだけで、氣持が好かつたわい。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
船内でも慈悲太郎の部屋でも、一つはそもじをねらった荒くれおのこ、また一つが——この私だったと聞いたら、驚くであろうのう
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
板橋は無邪気なをとこで、薬取の任を帯る毎に、途次親戚朋友の家を歴訪して馬牛の襟裾きんきよを誇つたさうである。松田氏の云ふを聞くに、細川家も亦柏軒の病家であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
生命いのち一つを繋ぎ兼ねるものがごろごろ幾何いくらあるか知れない、悪いことをした罰では決してない、天災というものは、例えば貴下のような正直ものでも用捨なくひきさらうのだから
厄払い (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この時に大和のあやあたえの祖先のアチのあたえが、天皇をひそかに盜み出して、お馬にお乘せ申し上げて大和にお連れ申し上げました。
一切の「からごころ」をかなぐり捨てて、言挙ことあげということもさらになかった神ながらのいにしえの代に帰れと教えたのが大人うしだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
身の家に近しい者でも奈良麻呂。あれらはカンはおろか、今の唐の小説なども、ふり向きもせんから、言ふがひない話ぢやは。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
素人義太夫の切前きりまえを語ろうというおことであった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「絶交はされてもかまわんが、金は出してもらうというのか。腰抜け!」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
新しい唐の制度の模倣ばかりして、もろこしさえがやまと心に入り替つたと謂はれて居る此人が、こんな嬉しいことを言ふ。家持は感謝したい気がした。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「どうも、折角のお招きに、醜態をお目にかけて、おゆるしください。舎弟の張飛は、竹を割ったような気性のやつですが、飲むと元気になり過ぎましてな。……はははは」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高波沃ソラニ、短舟裔々。※風ミナミカゼ朝扇、摧肝耽羅之狼心。北氣日發、失膽留求之虎性。頻蹙猛風、待葬鼈口。攅眉驚汰、占宅鯨腹。隨浪昇沈、任風南北。
大師の入唐 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)