おし)” の例文
しかしいみじくも万葉の歌がそれが染め料になるべき事実を明かにおしえ証拠立てて居る事は全くの歌の貴い所であるというべきダ。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
(やっぱりツェラの高原だ。ほんの一時のまぎれみなどは結局けっきょくあてにならないのだ。)う私は自分で自分におしえるようにしました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
子曰く、ゆうや、なんじに之を知るをおしえんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなりと。——為政篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
わたくしの説明によって、さすところのなんの車たるを解した人が、もしその名を知っていたなら、幸いにおしえてもらいたい。
空車 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
日本書紀にほんしょき神功じんぐう皇后の巻にいわく、「神のおしうることありて曰わく、『和魂にきみたま王身みついでしたがいて寿命みいのちを守らん。荒魂あらみたま先鋒さきなして師船みいくさのふねを導かん」 ...
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
それから和歌山県海草郡有功いさお村大字六十谷むそたに及び同県那賀郡山崎村大字原では、昔から僧行基がおしえたと云う、『ふせ三昧』と称する葬法を用いている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
彼は親先祖から譲られた家督財産その他一切のものを天からの預かり物と考えよと自分の子におしえた。彼は金銭を日本の宝の一つと考えよとおしえた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかして三節より五節までにおいて彼はまずヨブを責めていうのである、汝かつては人をおしえ人を慰めたるもの今わざわいに会すればもだえ苦しむは何のさまぞと。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
父母寵愛してほしいままそだてぬれば、おっとの家に行て心ず気随にて夫にうとまれ、又は舅のおしただしければ堪がたく思ひ舅をうらみそしり、なか悪敷あしく成て終には追出され恥をさらす。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その代り何処どこが国家のためだか、あきらかに諸君の立脚地をわれらにおしえられる義務が出て来るだろうと考える。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その洒堂をおしえたるもこれらの佳作をしりぞけたるにはあらで、むしろその濫用をいましめたるにやあらん。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
次の十丈じゅうじょうの王子は、役場からその辺の博徒二人におしえて、汝らこの社に因縁ある者と称えて合祀を願い出でよ、しかる時はむくゆるに神林の幾分を与うべしとのことで、ついに合祀す。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
どうして孔子が「ゆうよ、汝に知ることをおしえんか」と呼びかけて、不知の知の深義を語り、あるいは道の行なわれぬいきどおりを打ちあけて「我に従わん者はそれ由か」などということができよう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
平次は『此子おしゆべからず』と言つた顏をするのです。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
罰則は学校長が自ら作り自ら施すことを得るのである。教則の案は直ちに作って呈し、罰則は不文律となして、生徒に自力の徳教をおしえた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
また「默々として道理を識り、学んで厭かず人におしえて倦まないというのは容易でない。自分はその中の一つでも出来てはいないようだ。」
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
(神のおしうることありてのたまわく、「和魂にきみたま玉身みついでしたがいて寿命みいのちを守らん。荒魂あらみたま先鋒さきとして師船みいくさのふねを導かん」)
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼らは遅かれ早かれ死なねばならぬ。されど古今にわたる大真理は彼らにおしえて生きよと云う、くまでも生きよと云う。彼らはやむをえず彼らの爪をいだ。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
須佐之男命が古代の民族の為めに、まきの木を以て奥津おきつ棄戸すたへ将臥もちふさむそなへ——即ち棺箱を造ることをおしえたとあるが、それが事実であるか否かは容易に判然せぬ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
その洒堂をおしへたるもこれらの佳作をしりぞけたるにはあらで、むしろその濫用らんよういましめたるにやあらん。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
亭主ひそかに、あの犬の名は虎だから虎とさえ呼ばば懐き来る、何ぞ虎という語の入った経文を唱えたまえとおしえる。因ってその僧が南無なむきゃらたんのうとらやあ/\と唱えるや否や犬出家にれ近づく。
平次は「此子おしゆべからず」といった顔をするのです。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
忠実な友であるためには、倦まずたゆまず彼等におしえてやらなければならない。それが天の道を地に誠にする所以だ。自分がここで一歩退いたら、天の道が一歩退くことになる。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)