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脊負
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せおひ
開よ/\と制しけるゆゑ人々
動搖めき合て
片寄んとする時彼の文右衞門が女房お政は
具足櫃を
脊負差替の大小等を
引抱へし事なれば女の力にては人を
目かれせねばしばしやすらひたるに、
農夫二人きたりおの/\
褁を
脊負てかの橋をわたらんとす。
我が
為したる事ならねど人々への気の毒を身一つに
脊負たるやうの思ひありき長吉も少しは我が
遣りそこねを
耻かしう思ふかして、信如に
逢はば小言や聞かんとその三四日は姿も見せず
肩に
掛門口へ出る所へ獨りの
男木綿の
羽織に
千種の
股引風呂しき
包みを
脊負し人立止りて思はずも
店に
並べし水菓子の
價を聞ながら
其所に居たりし道之助を
無礼ものめと
肩をつきたるゆゑ
俵を
脊負ていかでたまるべき、雪の中へよこさまに
転び
倒れしに、武士も又人に
投られし
如く
倒れければ、田中の者は
早く
起て
后も見ずしていそぎゆきけり。
堪て吉兵衞
漸々起上り大事を
抱へし身の爰にて
空しく
凍死んも
殘念なりと氣を
勵まし四方を
見廻せば
蔦葛下りて
有を見付是ぞ天の
與へなりと二
品の包みを
脊負纒ふ葛を
裸なる
所以は
人気にて堂内の
熱すること
燃がごとくなるゆゑ也。
願望によりては一里二里の所より正月三日の雪中寒気
肌を
射がごときをも
厭ず、
柱のごとき
氷柱を
裸身に
脊負て堂押にきたるもあり。
裸なる
所以は
人気にて堂内の
熱すること
燃がごとくなるゆゑ也。
願望によりては一里二里の所より正月三日の雪中寒気
肌を
射がごときをも
厭ず、
柱のごとき
氷柱を
裸身に
脊負て堂押にきたるもあり。