すぢ)” の例文
すぐるゝ才ある者といふとも誰とて驚かざるはなきかげすぢとをあらはせるは、げにいかなる畫筆ゑふでまたは墨筆すみふでの妙手ぞや 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
頭上の剃痕ていこんは断続してゐて、残す所の毛が文様をなし、三条のすぢ蝙蝠かはほりの形とが明に認められたからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
条約で仮に決定されたアルプスの分水線に赤いすぢを書き入れ、コンパスで、重要な地点間の距離を測り、明日の集合地たるメンデル・パスまでの自動車道を選びました。
けむり(ラヂオ物語) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
木の間洩る谷地やちあしのすぢ引きてかはづが啼けば子はぬるもの
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
世界の中心に眞直まつすぐすぢをひいて外づれる事のないものを
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
野末遙けき森陰は、裾のさかひすぢ黒み
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
黄金こがねの花の毛莨きんぽうげ、野末のすぢ白銀しろがね
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
またこのたまは下るにあたりてその紐を離れず、光のすぢを傳ひて走り、さながら雪花石アラバストロうしろの火の如く見えき 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
木の間洩る谷地やちあしのすぢ引きてかはづが啼けば子はぬるもの
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
野末遙けき森陰は、すそさかひすぢ黒み
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
また知るべし、ふたつ區劃しきりすぢなかばにてきだより下にある者は、己が功徳によりてかしこに坐するにあらず 四〇—四二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
水楢の若葉ほたほたと雨おもり何ぞここだく雫すぢ引く
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この者二の翼を、中央なかの一と左右の三のすぢの間に伸べたれば、その一をもたずそこなはず 一〇九—一一一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
木の間がくりにすぢひきぬ。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
されば己の外に存する善がいづれもたゞ己の光の一すぢに過ぎざるほどすぐるゝ者に向ひては 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
赤いコツプにすぢを引く
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
善きソルデルロ指にて地をりていふ。見よ、このすぢをだに日入りて後は汝越えがたし 五二—五四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
からい胡椒にすぢを引く
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)