たち)” の例文
十兵衞がのつそりで浮世の怜悧りこうな人たちの物笑ひになつて仕舞へばそれで済むのぢや、連添ふ女房にまでも内〻活用はたらきの利かぬ夫ぢやとかこたれながら
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
されど彼等に罰を恐れざらしめんため、禍ひの爪たち少しくこゝを離るべし、我はこのまゝこの處に坐して 一〇〇—一〇二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
幾らお前さんたちが騷いだツてな、今日は先生がお出なさらねえうちは、何うしたツて此處こゝを通す事ツちやねえ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
日本紀の一書には、やはり山の神・野の神・土の神などと並んで、かみたち句句廼馳くくのちと号すともある。
赫々くわく/\と炎ゆるストーブを大勢の人たちが取り囲むで、ある一人の詩人が最近に作つたお噺をするところ
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
皇子みこたち共にこたへていはく、理実ことわり灼然いやちこなり。則ち草壁皇子尊づ進みて盟ひていはく、天神あまつかみ地祇くにつかみ、及び天皇すめらみことあきらめたまへ、おのれ兄弟長幼、あはせて十余のみこおのおの異腹ことはらよりづ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
と準教員は手をつて笑つた。聞いて居る教員たちも一緒になつて笑はずには居られなかつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
軍機ぐんきをもらすおそれはあるが、まぶとつて、きやくだいのものをわたくしせず、いろとつて、旦那だんな會計くわいけいわづらはさないことを、たちのために、旦那だんななるものに、諒解りやうかい要求えうきうする。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして其の気分と不時の訪問者の自分たちとは、何がなしに昔からの他人同志のやうに思はれた。読んだ事のない本の名を聞いた時に起す心持は、やがて此の時の多吉の心持であつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
この天皇の御子たち并せて、三柱の中、大倭日子鉏友の命は、天の下治らしめしき。次に師木津日子の命の御子二柱ます。一柱の子孫は、伊賀の須知の稻置いなき、那婆理の稻置、三野の稻置が祖なり。
終日の労働をまつたうして帰る大勢の仲間たちに行き逢ふことは厭であつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
民子の死は全くそれ故ですから、親の身になって見ると、どうも残念でありまして、どうもしやしませんと政夫さんが言う通り、お前さんたち二人に何の罪もないだけ、親の目からは不憫が一層でな。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
面帕かほおほひにおほはれ、流れのかなたにありてさへ、彼はその未だ世にありし頃世の女たちまされるよりもさらに己が昔の姿にまされりとみゆ 八二—八四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
加之それに擧止とりなしがおツとりしてゐたのと、割合わりあいに氣さくであツたのと、顔が綺麗だツたのとで、書生さんたちは來る度に、喰はずとも交々かはる/\幾らかづゝ菓子を購ツて遺ツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
蘇我臣そがのおみ入鹿ひとり、上宮かむつみやみこたちてて、古人大兄ふるひとおひねを立てて、天皇と為さむとすることをはかる。」
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
月に興ある秋の夜も、世にある人の姫たちの笑み楽しむには似もつかず、味気無う日を送らせぬる其さへ既に情無く親甲斐の無きことなれば、同じほどなる年頃の他家よその姫なんどを見るにつけ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここに思金の神また八百萬の神たち議りて白さく、「天の菩比ほひの神、これ遣はすべし」とまをしき。かれ天の菩比の神を遣はししかば、大國主の神に媚びつきて、三年に至るまで復奏かへりごとまをさざりき。
応接室の側の一間を自分の室と定めて、毎朝授業の始まる前には、必ず其処に閉籠とぢこもるのが癖。それは一日の事務の準備したくをする為でもあつたが、又一つには職員たちの不平と煙草の臭気にほひとを避ける為で。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
我曰ふ、あゝ千萬ちよろづ危難あやふきを經て西にきたれる兄弟たちよ、なんぢら日を追ひ 一一二—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
車駕しやが京中に巡幸してみちひとやほとりる時、めしびとたち悲吟ひごん叫呼けうこする声を聞きたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
綾さんも兼さんも、綺麗にお化粧をして店に出てゐる頃には、一人または二人づゞ若い書生さんたちが集ツて來て、多い時には八九人も頭を揃へて何やらガヤ/″\騷いでゐた。何れも定連だ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)