“灼然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちしろ14.3%
あらたか14.3%
いちじるき14.3%
いちじるし14.3%
いちじろく14.3%
いやちこ14.3%
しゃくぜん14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右の歌の灼然いちしろの語は、このマンジュシャゲの燃ゆるがごとき赤い花に対し、実によい形容である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
富士のお山のご神体木花咲耶姫このはなさくやひめにお縋りして、その灼然あらたかのお力で少しでも躰のよくなりますようにと、お百度を踏んでおりますので。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
寒念仏寒大神まゐりの苦行くぎやうあらましくだんのごとくなれば、他国はしらず、江戸の寒念仏はだかまゐりにたぐふればはなはだこと也。かゝる苦行くぎやうをなすゆゑにや、その利益りやく灼然いちじるき事を次にしるしつ。
十三世紀のマルコ・ポロ紀行にいわく尊者の墓へキリスト回々フイフイ二教の徒夥しく詣り尊者殺された処の土色赤きを採り帰って諸種の病人に水服せしも効験灼然いちじるし
すなわちこの草の花ならその歌中にある「灼然いちじろく」の語もよく利くのである。また「人皆知りぬ」も適切な言葉であると受け取れる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
皇子みこたち共にこたへていはく、理実ことわり灼然いやちこなり。則ち草壁皇子尊づ進みて盟ひていはく、天神あまつかみ地祇くにつかみ、及び天皇すめらみことあきらめたまへ、おのれ兄弟長幼、あはせて十余のみこおのおの異腹ことはらよりづ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
庭には石榴ざくろの花が灼然しゃくぜんとして燃るが如く開いていた。星巌は御玉ヶ池にあること正に十二年。江戸に来った日より算すれば十五年である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)