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流行
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はやり
ふりがな文庫
“
流行
(
はやり
)” の例文
「あんたもいま云ったこと忘れないで」とおそのは云った、「肌の手入れとお化粧、もう少し髪の
流行
(
はやり
)
に気をつけること、よくって」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
相手が
互
(
たがひ
)
に
巴里
(
パリイ
)
ツ子同士、
流行
(
はやり
)
ツ
児
(
こ
)
同士であり、其れが
右様
(
みぎやう
)
の事情の
下
(
もと
)
に行ふ決闘であり、
其
(
その
)
上当日の決闘
振
(
ぶり
)
が非常に壮烈であつたので
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それが
流行
(
はやり
)
となって、佐竹ッ原でも、
代地
(
だいち
)
でも、本願寺裏でも、食えない撃剣家が小屋掛けをして、試合の呼び出しに落語家を使ったり
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玉英さんはそうした
流行
(
はやり
)
の風をしていられた。私も束髪を結ったことがあります。それに薔薇の花簪など揷したものでした。
好きな髷のことなど
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
日記をつけることは、またこのごろの
流行
(
はやり
)
のようになっていますが、それについても考えなくてはならないことがあります。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
▼ もっと見る
力蔵
(
りきぞう
)
はほしいものは、なんでも
買
(
か
)
ってもらいました。
流行
(
はやり
)
のおもちゃも、きれいな
本
(
ほん
)
も、いろいろのものを
持
(
も
)
っていました。
星の世界から
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
辰公
(
たつこう
)
の商売は、アナ屋だ。当節
流行
(
はやり
)
の鉄筋コンクリートに、孔を明けたり、
角稜
(
かど
)
を欠いたりする職工の、夫も下ッ端だ。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
そのなかから
流行
(
はやり
)
のフロツクコートも一着
拵
(
こしら
)
へたが、出発間際になつて風邪を引込んで、
延々
(
のびのび
)
になつてゐるうち、つい
沙汰止
(
さたや
)
みになつてしまつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
物干には
音羽屋格子
(
おとわやこうし
)
や水玉や麻の葉つなぎなど、昔からなる
流行
(
はやり
)
の浴衣が
新形
(
しんがた
)
と相交って幾枚となく川風に飜っている。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これは帽の一方の
縁
(
へり
)
を高く
反
(
そ
)
り立たしめる事、昔
流行
(
はやり
)
し帽の頂から緒でその縁を引っ張るため縁に穴あり、緒の端に付けたボタンを通して留めた
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
折りますから。
流行
(
はやり
)
のようにだってできますよ。襟は銀被せのぴかぴかしたホックで留めることにいたしましょうね。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
一とくさり、當時の
流行
(
はやり
)
歌を唄つた眞珠太夫は、そのまゝ、親方の女房のお六の三味線につれて、
翩翻
(
へんぽん
)
と踊るのです。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
矢張
(
やは
)
り我々は同じに見えるかも知れないと思ったからさ、緑色のドレスは今年の
流行
(
はやり
)
で、大抵の若い女は着るからね。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
然
(
しか
)
りとすれば、
蔵石
(
ざうせき
)
の
流行
(
はやり
)
たる頃なれば、かのかじまやが
話
(
はなし
)
に北国の人
一室
(
いつしつ
)
をてらす玉のうりものありしといひしは
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
婆「誠にねどうも、
流行
(
はやり
)
っ
妓
(
こ
)
ですから
生憎
(
あいにく
)
お馴染が落合ってさ、
斯
(
こ
)
う折の悪い時は仕様がないもので、立込んでね」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「こりゃア、このせつ
流行
(
はやり
)
の
縁起
(
えんぎ
)
まわしの大黒絵じゃありませんか。……これが、いってえ、どうだというんです」
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
又自分の手柄は君等にしろ、無論僕にしろ、成るべく多くの人に知らせたいものだよ。
流行
(
はやり
)
言葉も
用
(
つか
)
つて見たしな。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渦巻の模様の中心となった
流行
(
はやり
)
ッ
児
(
こ
)
の
俳優
(
やくしゃ
)
——ニコポン宰相の名を呼ばれ、空前とせられた日露戦争中の
大立物
(
おおだてもの
)
——お鯉の名はいやが上に
喧伝
(
けんでん
)
された。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ある日、薄い色の
洋傘
(
こうもり
)
を手にしたような都会風の婦人が馬場裏の高瀬の家を訪ねて来た。この
流行
(
はやり
)
の風俗をした婦人は東京から来たお島の友達だった。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それからそれへと目ざましく発展するので、この頃では横浜見物も一つの
流行
(
はやり
)
ものになって、江戸から一夜泊まりで見物に出かける者もなかなか多かった。
半七捕物帳:40 異人の首
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
おときと、もう一人米子につれて行かれると云ふ女が、二人とも島田に結つて立働いて居た。おときよりも年上の女は、三味線を彈いて
流行
(
はやり
)
唄をうたつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
裕福とみえて、せいの高いからだを、凝った
流行
(
はやり
)
の
衣裳
(
いしょう
)
で包んでいるのが、芝居に出る侍のようであった。帯刀の金の飾りが、ちらちらときらめいていた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
けれども、四五年後の今日に至って見ると、もう軍神広瀬中佐の名を口にするものも
殆
(
ほと
)
んどなくなってしまった。
英雄
(
ヒーロー
)
の
流行
(
はやり
)
廃
(
すたり
)
はこれ程急劇なものである。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
石川氏は既に一流の大家であって、堂々門戸を張っている当時の
流行
(
はやり
)
ッ
児
(
こ
)
ですが、それでいて言葉使い、物腰、いかにも
謙遜
(
けんそん
)
で少しも高ぶったところがない。
幕末維新懐古談:46 石川光明氏と心安くなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「その代り、銀座でも、連れて歩いたら、
何奴
(
どいつ
)
のも、皆、
流行
(
はやり
)
女優の似顔をしていてうんざりするだろう。」
ロボットとベッドの重量
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
また
陵墓
(
りようぼ
)
の
前
(
まへ
)
に
石
(
いし
)
で
造
(
つく
)
つた
人間
(
にんげん
)
や
動物
(
どうぶつ
)
の
像
(
ぞう
)
を
竝
(
なら
)
べて
飾
(
かざ
)
りとすることが
流行
(
はやり
)
だしましたが、
日本
(
につぽん
)
でもまた
古
(
ふる
)
く
前方後圓
(
ぜんぽうこうえん
)
の
古墳
(
こふん
)
が
造
(
つく
)
られた
時分
(
じぶん
)
には
墓
(
はか
)
の
前
(
まへ
)
などに
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
一體八景といふのは隨分長い間の
流行
(
はやり
)
言葉であつて、何八景
彼
(
かに
)
八景、しまひには
吉原
(
よしはら
)
八景、
辰巳
(
たつみ
)
八景とまで用ゐられて、ふけて逢ふ夜は寢てからさきのなぞと
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
山本
勾当
(
こうとう
)
の三絃に合わせて美声自慢のお品女郎が
流行
(
はやり
)
の小唄を一
連
(
くさり
)
唄った。新年にちなんだめでたい唄だ。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そんなのが
流行
(
はやり
)
だそうです。こっちへ来ている女にも、もうだいぶ大きいのを
被
(
かぶ
)
ったのがありますよ」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
春になっても不規律な新年宴会が流行しますし、知名の紳士が海外へ往復するとお
互
(
たがい
)
に迷惑を感じながら時の
流行
(
はやり
)
で料理屋楼上に送別会とか留別会とかを開きます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それが
流行
(
はやり
)
だと云ふことになると、どんなに不思議な、妙な、変てこな衣裳でも、髪の形でも、お化粧の仕方でも、その当時の人にはそれが美くしく見えたのである。
東西ほくろ考
(新字旧仮名)
/
堀口九万一
(著)
夏なんか
洋傘
(
こうもりがさ
)
が買えなくって頬かむりをしては楽屋入りしたものですっかり色が黒くなって、お前、
流行
(
はやり
)
の海水浴に行ったのかと冷やかされたこともよくありました。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
それが近ごろ
流行
(
はやり
)
の主義者かぶれ(社会主義思想の信奉者)で、いやに解雇工員の肩を持つんです。
五階の窓:03 合作の三
(新字新仮名)
/
森下雨村
(著)
「あの、
斯
(
こ
)
う言ってましたよ。どうせ伯母さんが拵えたんだから
流行
(
はやり
)
には
後
(
おく
)
れているって。けれども石と地金は
良質
(
いいん
)
ですってね、ですから拵え直して貰うんですって」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余り身勝手過ぎるぢやありませんかネ——それにネ、着物だの、何だのも、
此頃
(
ちかごろ
)
は
斯様
(
かう
)
云ふのが流行だなんて自分で注文するんですよ、
何処
(
どこ
)
の
流行
(
はやり
)
かと思へば、貴嬢
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
三十年も過ぎると
流行
(
はやり
)
というものは再び戻って来るものでしょう。私の目に残っている智恵子はよく藤色
矢絣
(
やがすり
)
のお召の着物を着ていました。それがまたよく似合いました。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
と怪しきふるへ聲に此頃此處の
流行
(
はやり
)
ぶしを言つて、今では勤めが身にしみてと口の内にくり返し、例の雪駄の音たかく浮きたつ人の中に交りて小さき身躰は忽ちに隱れつ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
思うに、人事において
流行
(
はやり
)
や
廃
(
すた
)
りのある如く、自然においても旧式のものと新式のものが自らある、空中飛行機に
駭
(
おどろ
)
く心は、やがて彗星を
異
(
あや
)
しむ心と同一であると云えよう。
高山の雪
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
落人
(
おちうど
)
の借衣すずしく似合いけり。この柄は、このごろ
流行
(
はやり
)
と借衣言い。その袖を放せと借衣あわてけり。借衣すれば、人みな借衣に見ゆる
哉
(
かな
)
。味わうと、あわれな狂句です。
おしゃれ童子
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
流行
(
はやり
)
唄の末尾のように意味を成さないまま、わななきふるえつつ消え失せた……と思う間もなく、喰い縛った歯の間から
凩
(
こがらし
)
のような音を立てて、泡まじりの血を噴き出した。
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
公荘夫婦は、允男のかえりがおそくでもあると「まさかそんなことはないと思うけれど」「一つの
流行
(
はやり
)
だからな」と息子が赤になることを警戒し、息子の書斎をしらべたりする。
山本有三氏の境地
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何が
幸
(
さいわい
)
になるか判らないもので、「赤外線男」に抱きつかれたダンサーというので、いままでアブれ
勝
(
が
)
ちだったのが急に
流行
(
はやり
)
っ
児
(
こ
)
になって、シートがぐんぐん上へ昇っていった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
後者はよく「岐阜団扇」の名で通りました。
漆塗
(
うるしぬり
)
の紙を用います。今に
流行
(
はやり
)
ませんが
油団
(
ゆとん
)
も和紙のものとして忘れ難い品であります。何枚も紙を貼り合せ油または漆をひきます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
儲
(
まう
)
け夫婦の
喜悦
(
よろこび
)
假令
(
たとふ
)
るに
物
(
もの
)
無く
蝶
(
てふ
)
よ花よと
慈
(
いつく
)
しみ
育
(
そだつ
)
る
中
(
うち
)
に間も無
妻
(
つま
)
のお久時の
流行
(
はやり
)
風邪
(
かぜ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遠い
神仏
(
しんぶつ
)
を信心するでもなければ、近所隣の
思惑
(
おもわく
)
や評判を気にするでもなく、
流行
(
はやり
)
とか
外聞
(
がいぶん
)
とかつき
合
(
あい
)
とか云うことは、一切禁物で、
恃
(
たの
)
む所は自家の頭と腕、目ざすものは金である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お初がまだ赤坊の頃、お父つぁんは
流行
(
はやり
)
病いで亡くなった、と母にはきかされていたが、親類のものたちの話し合うているのをきけば、朝鮮あたりへ出稼ぎに行っている様子であった。
神楽坂
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
今はどうか知らないが、私の郷里には好く
流行
(
はやり
)
神様と云うものが出来た。昨日まで何もなかった野原や畑の間に、急に小さな祠が出来て、それに参詣する者が赤や白の小さな幟をあげた。
村の怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして喜んで己の命を聴く役人共の手に金をわたした。どこへ往つてもたつぷり金を賭けて、博奕をして、土地の
流行
(
はやり
)
の
衣服
(
きもの
)
を着て、その外勝手な
為払
(
しはらひ
)
をするに事足る程の金をわたした。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
……どうしてだろう、こんなはずじゃァなかったがと思うことだって、この四五年たび/\あるようになりました。——でも、それは、ものゝ
流行
(
はやり
)
すたりはどんなものにだってあります。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
この頃、江戸の
流行
(
はやり
)
で、そなたのような秀れた芸道の人が、口にあてた盃の、お客が持ち帰るのが、慣わしとなっている。そなたも、御息女さまに、お願いして、そのお盃を、お持ち帰りを
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
“流行”の解説
流行(りゅうこう、はやり、英: Mode, Trend, Fad, Fashion)とは、あるものが人々の間に広がること、またはその状態。ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会へ浸透・普及していく過程にある状態を表す。
(出典:Wikipedia)
流
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“流行”で始まる語句
流行唄
流行歌
流行物
流行病
流行妓
流行児
流行神
流行感冒
流行廃
流行風邪