“庖丁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうちょう70.9%
はうちやう11.0%
ぼうちょう7.9%
ばうちやう4.7%
ほうちよう1.6%
はうてう0.8%
ほうてう0.8%
ぼうちやう0.8%
コック0.8%
ナイフ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十五日の中元には荷葉飯かようめしを炊き、刺しさばを付けるのが習わしである、おせんも久しぶりに庖丁ほうちょうを持って鯖を作り、膳には酒をつけた。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「それすんぢやねえ、かねえとこれつてやんぞ、あかまんまがるぞおゝいてえ」などとおつぎのいふのがきこえた。そのたび庖丁はうちやうおとむ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
サッとカーテンが開くと、料理庖丁ぼうちょうのキラキラしたのをさげて、料理人のひとが、一人の若い男の背中を突いてはいって来た。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「そんな引つ掻き見たいなものぢやありませんよ、匕首あひくちのみか出刄庖丁ばうちやうか知らないが、一、二寸は突つ立つてますぜ」
たとへばひらたく兩方りようほうからみがしてゐる石斧せきふ、あるひはながやり、あるひは庖丁ほうちようといつたふうに、使用しよう便利べんり種々しゆ/″\かたち出來できたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
御存ごぞんじのかたは、武生たけふへば、あゝ、みづのきれいなところかとはれます——みづかねきたへるのにてきするさうで、かまなべ庖丁はうてう一切いつさい名産めいさん——むかしは、きこえた刀鍛冶かたなかぢみました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ばあさんは、今日けふもうれしさうにはたけ見廻みまはして甘味うまさうにじゆくしたおほきいやつを一つ、庖丁ほうてうでちよんり、さて、さも大事だいじさうにそれをかゝえてかえつてきました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
離屋はなれのやうになつて居る別棟の二階六疊の部屋で、小形の出刄庖丁ぼうちやうに喉笛を刺され、冷たくなつて居るのを、嫁のお清が見付け、大變な騷ぎになりましたが、小網町の仙太が驅け付け
殊に一度波多君が、雅叙園を御馳走してくれた時には、給仕に便所は何処だといたら、料理場の流しへしろと云う。実際又其処には私よりも先に、油じみた庖丁コックが一人、ちゃんと先例を示している。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『さうか、だけど屹度きつとくづおなぐらゐはいつてたにちがひない』帽子屋ばうしや不平ふへいたら/″\で、『麺麭パン庖丁ナイフ其中そのなかんだナ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)