“媼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうな39.3%
ばあ26.7%
ばば8.0%
ばあや4.0%
うば3.3%
ばばあ3.3%
2.0%
オムナ2.0%
おば2.0%
をうな2.0%
おむな1.3%
をば1.3%
ばゝ0.7%
ばゝあ0.7%
ばゞ0.7%
ばゞあ0.7%
オウナ0.7%
オミナ0.7%
ヲバ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小腰をかがめておうな小舞こまいを舞うているのは、冴々さえざえした眼の、白い顔がすこし赤らみを含んで、汗ばんだ耳もとからほおへ、頬からくび
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
じいさん、ばあさんがあった、その媼さんが、刎橋はねばしを渡り、露地を抜けて、食べものを運ぶ例で、門へは一廻り面倒だと、裏の垣根から
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
万作は「のうばば。お光ちょうは変なだのう、久しゅう歌わねえからどうしたんべいと思ったら、ひょっくら歌い出したのう」
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
呉侍御は不審に思って、ばあやを朱の家ヘやって探らした。媼は朱の家へ往って細君の顔を一眼見て、駭いて帰ってきて呉侍御に告げた。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
が、孫八のうばは、その秋田辺のいわゆる(おかみん)ではない。越後路えちごじから流漂るひょうした、その頃は色白な年増であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片手で袖をつかんだ時、布子の裾のこわばった尖端とっさきがくるりとねて、ばばあの尻が片隅へ暗くかくれた。かまどの火は、炎を潜めて、一時いっときに皆消えた。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道理だうりこそ、出入でいりをひとかくしてかたちせぬと、一晩あるばんさんが注進顏ちうしんがほで、てがららしくつたことおぼえてる。……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
荒々しい聲と一しよに、立つて、表戸と直角カネになつた草壁の蔀戸シトミドをつきあげたのは、當麻語部タギマノカタリオムナである。北側に當るらしい其外側は、牕を壓するばかり、篠竹が繁つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
大安楽寺こうぼうさまの門前までゆくと、文字焼もんじやきやのおばさんと、ほおずきやのおばさんが声をかける。下足のお爺さんは、待っていたようにたすけおろしてくれる。
萱刈りやめをうなはうたふ日ののどかなんとその眼のうれしさうなる
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
藤原南家にも、常々、此年よりとおなじやうなおむなが出入りして居た。郎女たちの居る女部屋までも、何時もづか/\這入つて来て、憚りなく物語つた。あの中臣志斐媼なかとみのしひのおむな——。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
およしをば六騎ろつきがながれ、我が乳母めのと、そのかの一人。笛鳴るに太鼓とよむに、水祭また御らうぜよ、舟よしと、さて棹さしぬ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
抵当に入れた馬小屋見たよな家は、金主からつ立てられる、到頭たうとう村で建てて呉れた自分の息子の石碑の横で、夫婦が首をくゝつて終ひましたよ、ぢいばゝあ情死しんぢゆうだなんて、みんな笑ひましたが、其時もわし
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ばゞ洗濯せんたくかはにて、ひろ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
へえ、是れは何方とも云えない、困ったねえ…じゃア斯うしましょう、わしがのばゞあ何卒どうかお頼ん申します、私がお嬢さまの代りに奉公にめえりまして、私が其の給金を取りますから、お薬を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
初めに、滋賀津彦のよみがえりの場合と、郎女の魂呼タマヨバいの場面とが出て来る。この二節を読んだだけで、もう語部カタリベオウナのいた時代の当麻タギマの里に、読者は引き入れられてしまう。
『死者の書』 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
帰り来れば、うつけオミナの迎へつゝ 戸をくる習ひ すべなかりけり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
山畑にひとり出でゐる山ヲバの 応ふるこゑを聞けば、かそけき
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)