“ばあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バア
語句割合
54.9%
祖母26.0%
10.3%
乳母3.1%
老婆2.1%
1.0%
老母0.5%
0.5%
老婢0.3%
0.3%
産婆0.3%
老嫗0.3%
酒場0.3%
鬼婆0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半蔵のところへは、こんなことを言いに寄る出入りのおふきばあさんもある。おふきは乳母うばとして、幼い時分の半蔵の世話をした女だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「お京さん、いきなり内の祖母ばあさんの背中を一つトンとたたいたと思うと、鉄鍋てつなべふたを取ってのぞいたっけ、いきおいのよくない湯気が上る。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
男は二十四五の、草臥くたびれたやうな顔、女は六十ばかりの皺くちやなばあさんで、談話はなしの模様でみると、親子といふやうな調子があつた。
みゑ「乳母ばあや、アノお前に逢うのが間が悪いと云って這入り兼て、表に立って居るのだが、何うか私に免じて逢ってやっておくれでないか」
なるほどこれはお前にやるとはいったことはあるようだが、矢来の老婆ばあさんのところに来ての話しにも
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ばあは驚きたるなり。浪子もに落ちぬ事はあれど、言うは伯母なり、呼ぶは父なり、しゅうとは承知の上ともいえば、ともかくもいわるるままに用意をば整えつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
老母ばあさん一人の男やもめ——そのおばあさんが丹精の継はぎの膝掛をねて、お出迎え、という隙もありゃしますまい。
向うの方からめっかちのばあさんが、三つ位の女の児を抱いて来ましたが、老人はそれを見ると、あの女の児は君のかないじゃといいますから、その男はひどく怒って
たまにそれとなく入っていって柳沢の留守に老婢ばあさんと茶の間の火鉢ばちのところで、聞かれるままにお前のうわさばなしなどをしたりして
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
老婢ばあさんは?」
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「眼が潰れたら、鉄砲が打てないや、鉄砲が打てない軍人があるものかい」お町に気がついて、「なあ、ばあさん」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今時そんなのは無いかも知れんが、昔の産婆ばあさんにはこんな風なのが、よくあった。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸板の上に穀物の種子たねをならべて賣つてゐる老嫗ばあさんをみてきた
芝居を観る、活動を見物する、銀座を歩く、酒場ばあを飛び廻る、議論を戦はせる——マメイドなんかに手紙を書く暇なんて決してなかつたのだ——。
東京駅にて感想 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)