山岳さんがく)” の例文
旧字:山嶽
たちま山岳さんがく鳴動めいどうし、黒烟こくゑん朦朧もうろう立昇たちのぼる、その黒烟こくゑん絶間たえまながめると、猛狒ゴリラ三頭さんとうとも微塵みじんになつてくだんだ、獅子しゝ大半たいはん打斃うちたをれた、途端とたん水兵すいへい
すべてスポーツにかんするもので、ちょうど盛夏せいかちかづいたから、山岳さんがく風景ふうけいや、溪谷けいこく海洋かいようのけしきなどが、にもしたしまれたのであります。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
考えていたより何百倍か大きいものであった。月面は青白く輝き、くっきり黒い影でふちをとられた山岳さんがく谿谷けいこくが手にとるようにありありと見えた。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ものたましひがあるとの想像さうざうむかしからあるので、だい山岳さんがく河海かかいより、せうは一ぽんくさ、一はなにもみなたましひありと想像さう/″\した。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あなが人丸ひとまろ赤人あかひと余唾よだねぶるでもなく、もとより貫之つらゆき定家ていか糟粕そうはくをしやぶるでもなく、自己の本領屹然きつぜんとして山岳さんがくと高きを争ひ日月と光を競ふ処、実におそるべく尊むべく
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
そしていつも山岳さんがくや草原に露営ろえいの生活をして、野生動物を深く観察し、りっぱな動物物語をたくさんあらわしました。この『おおかみの王ロボ』は、その中でも傑作けっさくといわれる面白いものです。
なやましきやなぎかぜさへ、あかありむらがごとし。あれ、け、雨乞あまごひこゑして、すさまじくせみの、あぶらのみあせしたゝるや、ひとへにおもふ、河海かかい山岳さんがくと。みねひ、みづぶ、戀人こひびとなるかな。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山岳さんがく溪流けいりゆうにはあまりにふれませんが、やはり特有とくゆううをがゐます。いはな、やまめ、うぐひ、あゆなどはそのなかおもうをで、高山こうざんみづきよみきつてるように、そのにくも、くさみがなく、あぢがいゝ。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
我が上越後は山岳さんがくつらなれば滝多し。
あのふか山岳さんがくおくには屹度きつとなにおそろしいものがひそんでゐるに相違さうゐないとかんがへた。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)