“朶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だ61.3%
たぶ12.9%
た6.5%
あーち3.2%
えだ3.2%
たぼ3.2%
はなびら3.2%
はら3.2%
ダ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまり結構でない煙草の煙が、風のない庭にスーツと棚引くと、形ばかりの糸瓜の棚に、一朶(だ)の雲がゆら/\とかゝる風情でした。
「額広く鼻は高く、きれの長い末上りのきつい目、朶(たぶ)の無いような耳、おとがい細く一体に面長で、上髭(うわひげ)薄く、下鬚(したひげ)疎(まば)らに、身のたけはすらりと高い方で。」
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まして伊達政宗が連年血を流し汗を瀝(したた)らして切取った上に拠ったところの地で、いやいやながら差出したところであり、人情として涎(よだれ)を垂らし頤(あご)を朶(た)れて居るところである
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
神官の家であるから、彼らは特に弓の稽古をしていて、社の構内に朶(あーち)が設けてあった。私もここで射てみたが、弓もやはり拙かった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
『三州志』などを見ると、加州藩では他の諸国で出村(でむら)・分郷(わけごう)・枝村(えだむら)といい、越前で朶(えだ)などといっていた小部落を垣内と公称し、何郷何箇村及び垣内幾箇処などと録している。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
スッカリ若返りにしておりましたので一寸見(ちょっとみ)はフイ嬢(ちゃん)よりも可愛いくれえで、フイ嬢(ちゃん)とお揃いの前髪を垂らして両方の耳ッ朶(たぼ)に大きな真珠をブラ下げた娘(やつ)が、翡翠(ひすい)色の緞子(どんす)の服の間から
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
然(しか)れども花(はな)開(ひら)いて絢爛(けんらん)たり。昌黎(しやうれい)植(う)うる處(ところ)、牡丹(ぼたん)もと紫(むらさき)、今(いま)は白紅(はくこう)にして縁(ふち)おの/\緑(みどり)に、月界(げつかい)の採虹(さいこう)玲瓏(れいろう)として薫(かを)る。尚(な)ほ且(か)つ朶(はなびら)ごとに一聯(いちれん)の詩(し)あり。奇(き)なる哉(かな)、字(じ)の色(いろ)分明(ぶんみやう)にして紫(むらさき)なり。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ガラッ八の八五郎が、薫風(くんぷう)に懐(ふとこ)ろを朶(はら)ませながら、糸目の切れた奴凧(やっこだこ)のように飛込んで来たのです。
さきものこらず、雲かとまがう万朶(ダ)の桜、下には若草のみどりのしとね、上には紅の花の雲、花の香にようてかすむ月かげは欄干近くその姿をなげる。
錦木 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)