千葉ちば)” の例文
昨日きのふあさ千葉ちばわたしびまして、奧樣おくさまこの四五にちすぐれやう見上みあげられる、うぞあそばしてかと如何いかにも心配しんぱいらしくまをしますので
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もなくいんさまは三浦みうらすけ千葉ちばすけ二人ふたり武士ぶしにおいいつけになって、なんさむらい那須野なすのはらててわたしをさせました。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
千葉ちば埼玉さいたま、あの大河たいが流域りうゐき辿たど旅人たびびとは、時々とき/″\いや毎日まいにちひとふたツは度々たび/″\みづ出會でつくはします。これ利根とねわすぬまわすみづんでる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たえず車副くるまぞいのかたちで、帝のお近くにいた佐々木道誉は、すぐ馬をかえして、同役の千葉ちばすけ貞胤さだたね、小山秀朝らにはかり、それの配置を作った。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それをよく読んで下されば分るでしょうが、四郎さんとあたしとは、千葉ちばの海岸で知合ってから、お友達になったんです。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼らにとってこころよく思われたかは、主家の兇変きょうへんの前に、すでに浪人していた不破数右衛門ふわかずえもん千葉ちば三郎兵衛、間新六はざましんろくが、同じように連盟に加わってきたのでも分る。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
病と共に失恋もし、千葉ちば大原おほはらの病院にたつた一人ひとり絶命せし故、最も気の毒なる友だちなるべし。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ここまで話したとき、一人の女生徒、千葉ちば房枝が机の横にばたりと倒れた。
錯覚の拷問室 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
仙台せんだい洋学者ようがくしゃ大童信太夫おおわらしんだゆうをたすけだしたり、千葉ちば長沼村ながぬまむら人々ひとびとのために、ちからをつくしたこともありますが、ここでは、その一つのれいとして、榎本武揚えのもとたけあきをすくったはなしをとりあげておきます。
ここは千葉ちば市川いちかわ市から、あまり遠くないS村の、S小学校の校庭です。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
三三あまさへ去年こぞの秋、三四京家の下知として、三五美濃の国郡上ぐじやうぬし三六とう下野守しもつけのかみ常縁つねより三七御旗みはたびて、三八下野の領所しるところにくだり、氏族しぞく三九千葉ちば実胤さねたねとはかりて四〇むるにより
「先生この岩何す。」千葉ちばだな。お父さんによくている。〔何に似てます。何でできてますか。〕だまっている。〔わかりませんか。礫岩れきがんです。礫岩です。凝灰質礫岩ぎょうかいしつれきがん。〕及川おいかわだな。〔いいですか。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
千葉ちば貴孃あなたいてりますと言上ごんじようすれば、おゝ可愛かわいをとこ奧樣おくさま御贔負ごひゐきまさりて、おこゝろづけのほどいままでよりはいとゞしうりぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
汽車きしや千葉ちばまはりに譽田ほんだ……をぎ、大網おほあみ本納ほんなふちかづいたときは、まへ苗代田なはしろだを、二羽には銀翼ぎんよくつて、田毎たごと三日月みかづきのやうにぶと、山際やまぎはには、つら/\と立並たちならんで、しろのやうに
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無論むろん千葉ちばさんのはうからさとあるに、おやあの無骨ぶこつさんがとてわらすに、奧樣おくさま苦笑にがわらひして可憐かわいさうに失敗しくじりむかばなしをさぐしたのかとおつしやれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)