今度このたび)” の例文
されば今度このたびこの地において花馬車競技があるというにより、日本人と中華民国人の微妙なる差別を広く一般に示すはこの時なり。
それで其戦も結局勝利になったため、今度このたびの合戦、全く其方一手の為に全軍の勝となった、という感状を政宗から受けた程の勇者である。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……今度このたび宮家には念願ござって、吉野大峯山へご入峯にゅうぶあらせられまする。……しかるに当地には新関あって、往来の人々を止どむるとのこと。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はツ、はじめましてお目通めどほりをつかまつります。へえ、今度このたびはまた格別かくべつ御註文ごちうもんおほせつけられまして、難有ありがた仕合しあはせにござります。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これはただ自分の心持が変ってしまっただけのことなのだ。というのは自分が今度このたび故郷へ帰って来たのは、決して上機嫌じょうきげんで来たのではないからだ。
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
切首きりくびと人々申候と少しく自慢じまんがてらに長々なが/\と申ければ大岡殿成程其遺恨ゐこんもある故陸尺の七右衞門は今度このたびの一件に世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今度このたび信州の御働きは先年に超越し、御遺恨益々深かりければこの一戦に国家の安否をつけるべきなり云々」
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
今度このたびむくいに如意の珠を進ぜんと思えど、日本人は心しくて持ちたまわん事難し、因ってかの箱をというて取り寄せ開くと中に金の餅一つあり厚さ二寸ばかり
勝四郎は雀部ささべに従ひて京にゆき、絹ども残りなく交易せしほどに、当時このごろ都は四三花美くわびを好むときなれば、四四よき徳とりてあづまに帰る用意はかりごとをなすに、今度このたび上杉のつはもの鎌倉の御所をおと
けれど今度このたびだけは許してあげます。もう二度と森の中に上ってきてはいけません。夢の精はなかなか人間の手につかまるものではありません。もうちゃんと私のふところに戻ってきています。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
今度このたびはいうべき事もかねて用意して、じれッたそうに挿頭かんざしで髪をきながら、漸くのおもい間隙すきを見附け、「公債は今幾何いくらなの?」とくちばしさんでみれば、さて我ながら唐突千万! 無理では無いが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いや、われらは城下のものにて、今度このたび、浦々を見物いたし、またこれよりは滝谷たきだに妙成寺みょうせいじへ、参詣をいたすもの、見受け申せば、我等と同じ日蓮宗の御様子なり。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まして町奉行の配下連がお乗り物を抑えるとは無礼千万! これを表沙汰に致す時は容易ならぬ事が出来しゅったい致す。なれど特別の慈悲をもって今度このたびに限って忘れ取らせる。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
申入るゝ者多かりしが今度このたび同宿どうしゆく杉戸屋すぎとやとみ右衞門が媒人なかうどにて關宿せきやどざい坂戸村さかとむらの名主是も分限ぶんげんの聞えある柏木庄左衞門かしはぎしやうざゑもんせがれ庄之助に配偶めあはせんとてすで約束やくそくとゝの双方さうはう結納ゆひなふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また、今度このたび長政が信長と絶縁せんとするや、到底信長に敵しがたきを知って極力諫止かんしせんとした。しかも、いよいよ手切れとなるや、単身敵陣に潜入して、信長を討たんことを決心す。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
亡ぼすところにかかわっておるのじゃ! ……されば今度このたびのおのれの所業は、神のくにへの裏切りじゃぞ! ……日夜念々神の怒り、おのれの心を苦しめるであろうぞ!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今度このたび、同銀行蔵掃除について払下げに相成ったを、当商会において一手販売をする、抵当流れの安価な煙草じゃ、喫んでかんばしゅう、香味こうみ、口中にあまねうしてしかしてそのいささかもやにが無い。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
斯て九助は五ヶ年の間辛抱しんばうをなし殊に今度このたび奉行所よりたまはりし金を合すれば百六七十兩の金子にも成しゆゑ古郷こきやうかへりかねての望みの如く先祖せんぞの跡を立んと出立の支度したくして伯父をぢ始めへの土産物みやげもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
久作、かねて朋友に今度このたびの戦、我れ必ず遠藤を討取るべしと豪語していた。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
後鳥羽上皇の御志おんこころざし、朝権恢復の御志を継がれ、そちをはじめとして俊基など、誠忠志を同じゅうするもの、主上を翼賛しまいらせて、今度このたびの挙を計りたるに、われ若年とはいいながら
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
徳川殿今度このたび勅命により召寄せらるるにより、先手の者上京する由を告げたが、薩兵聴かず、問答を重ぬる裡、薩州よりにわかに大砲を打ち出したが、最初の一発に桑名の兵、十数人打ち重って倒された。
鳥羽伏見の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
濃州に立越え稲葉伊予守に所縁あるを以て暫時かくまはれて居たりしかば、信長の軍立いくさだて能々よくよく見知りてありけるが、今度このたび織田徳川矛盾に及ぶと、浅井を見続みつがずばいよいよ不忠不義の名をこうむるべしとおもひ
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)